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ワンワン!ワンワンワン!

関山和夫『説教の歴史―仏教と話芸 (1978年) (岩波新書)』

説教の歴史―仏教と話芸 (1978年) (岩波新書)
関山 和夫
岩波書店 (1978/11)
売り上げランキング: 328125


説教の歴史―仏教と話芸 (白水Uブックス)
関山 和夫
白水社 (1992/07)
売り上げランキング: 131829
おすすめ度の平均: 4.5
4 話芸としての説教
5 知られざる世界

 偶然古本屋で見つけて即GETした本。たまたま娘&姪といっしょにいた時に買ったので、二人に表紙を見せながら「お前らに説教するために買ったんやでーwwwww」なーんて言ってビビらせたりしますたwww
 あ、もちろんですが、ちっともそんな内容の本ではありません。落語、浪曲、講談などのいわば元ネタである「節談説教」にスポットを当てた本です。何度かこの日記にも書きましたが、『はだしのゲン』好きが昂じてイッチョマエに浪曲を聴いたりもしてるワタクシですが、仏教的なネタが多いのはなんでだろうと考えたりはしてました。その疑問に、まさに答えてくれた本だったというワケです。やっと落語へのとっかかりもできたなと思いました。今後はそのあたりも聴いていきたいとも思いましたよ。
 著者の関山先生ですが、たまたま一冊だけ文庫で持ってる『圓生古典落語4』、そちらで解説をお書きになってらっしゃったので、お名前は存じておりました。真宗系のお寺に生まれ育ったと本書にてお書きになってらっしゃるから、殊に真宗系の節談については資料や著者の体験を交えてかなりくわしいです。ただまあ、元日蓮主義者としては「くり弁」についても詳細を明らかにしてほしかったかと。真宗系節談の骨頂である「せり弁」(浪曲調だったようだ)に対して、日蓮宗系にはという講談調の説教があった、それが「くり弁」なんだそうな。うーん、なんだか秋の行楽シーズンに電車の中で食べたいようなカンジなんだがwww
 ぼくの理解に間違いなければ、真宗や浄土宗といったお念仏は、基本的に関西、それも京都を中心にしているという印象。対して日蓮宗系は関東を中心にしているかと。つか、こんなの常識なの? 今まで知らんかったよ、恥ずかしいことだねwww


 実は、先日友人から仏教について知りたいからイイ本あったら教えてくれって頼まれたんですが、その時にパッとした本がちっとも思い浮かばなかったんですよ。
 たとえば自分は、母方が創価学会系で、父方が真言宗系だったんで、自分は小学生の頃から教学しててバリバリの日蓮主義者だったワケなんですが*1、学会がお寺とケンカしたあたりでシラけたのと同時に*2、別な思想へと傾斜があり、ヒダリとミギとに揺れ動くも、結局は単なる思想ヲタに収まるという我ながらイヤ〜な構図なのでしたwww
 で、まあ思うに仏教ってえのは、ことに日本仏教てえのは世界的に見ると稀な思想体系であり、その中でドングリの背くらべのごとき派閥がビッシリとあり、それぞれに内ゲバしてるというやっぱりイヤ〜な構図であって、然るに日本で出版されている仏教書も、そこらへんを反映して、書いた人の派閥によって内容が異なってくるため、全体像をキチンと書いている本となると、ひろさちや先生の独占市場になってしまうのですね。ああ仏教徒
 とりあえず、中学校の日本史程度の知識があれば、本書を読むのにさほどの苦労はいらないと思うので、いまさらだけど本書を薦めてみたいと思っています。というか、どうよ?


 追記。
 念のために書いておきますが、創価学会関連のコメントおよびトラックバックはご遠慮ください。つまり、折伏禁止。選挙勧誘禁止。ヨソでやってください。
 あと、ネットサーフィンしてたら↓こんなの見つけました。

2007年11月23日 於 滋賀県大津市 浄宗寺
関西地区「節談説教を聞く会」
日時 平成19年11月23日(金)19時〜21時
会場 浄土真宗本願寺派 浄宗寺(JR大津駅徒歩5分)
講師 廣陵兼純師 (大谷派)
府越義博師(東本願寺派
問い合わせ先
浄土真宗本願寺派 浄宗寺(〒520-0057 滋賀県大津市御幸町4-19)


こちらより引用

 どなたか、滋賀までごいっしょしませんか?


*1:ついでながら、某名誉会長サマより戸田城聖先生のほうをより信奉していたという、我ながらナゾな小学生だったwww

*2:教学的に言えば、三宝が成り立たなくなるでしょ。戸田先生曰く「前に言っていたことと、今言っていることが違う宗教は、邪宗である」