アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

Light Mellow 鄧麗君 ~テレサ・テン AOR mix~

先日『obscure city pop cd's 1986-2006』っていうCDガイド本を買いまして。

この本、tumblrで流れてきて知ったっていうザ・インターネット的出会いで、「うわ、これ買わなきゃ!」で即amazonでポチったんですが、これがもう、たいへん刺激を受けまして。

オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド (J-POP、ドラマサントラ、アニメ・声優…“CDでしか聴けない

どういう本か、すっごくおおざっぱに言うと「CDバブルの影に埋もれた90年代を中心に、CITYPOP感のある音楽をDIGろう」的なアレです。書いているのは謎のDIG集団・lightmellowbu!

実際自分も何度かブックオフに赴いて290円~510円棚をなめるように眺めたりもしたんですが(←わりと以前からやってはいる)、そもそも自分が「CITYPOP」や「AOR」、「Light Mellow」のなんたるかをわかっているんだろうか?っていう根源的な問いがアタマをもたげたりして。

アラフィフぶっこいたおっさんがナニ青臭えこと言っちゃってるんだよと我ながら思ったりはするんですけど、ふと、むしろ手持ちの音源で答え合わせ的なの作ったほうが早くね?と思って作ったのがこのMIXです。

いや、ここで取り上げた音源がすべて「CITYPOP」で「AOR」で「Light Mellow」や!ってことはもちろんないんですけど、「だいたいこういう方向性でまちがってないよね?合ってるよね?」っていうヤツです、ハイ。

いやあ、誰も言ってくれないから自分で言うけど、「Light Mellow 鄧麗君」「CITYPOP テレサ・テン」っていうの、充分パワーワードだと思うんだけど、でもこれがパワーワードに感じるのって、「テレサ・テン=演歌」って思っちゃってる人だけだしなー。それってわりと高齢の日本人ってことになるんだよな。

でも違うんだよ、「テレサ・テン=演歌」ってだけじゃないんだよ、これ聴いてもらえば一発でわかるよね?っていうのが作りたかったんですよね。

日本語の曲だと演歌率が高いし、演歌じゃない曲も楽器の鳴りが演歌調だったりして、なかなかにDIGは難航したんですけど、できあがってめっちゃ気に入ってます。自分でめっちゃリピートして聴いてる。

 

以下余談。

最初は2曲目に入れてる「風從那裡來」のフィリーソウルアレンジめっちゃ気持ちイイなって思って、これを1曲目にするつもりだったんですよねー。『Greatest Hits Vol. 2』(1978)に収録。この曲は樂風?麗風?ライフレコード時代の歌で、オリジナルとはアレンジが全然違ってるんですよー。オリジナルは同名のTVドラマの主題歌だったみたいですね。

とりあえず、こういう気持ちイイ曲をたくさんDIGって、最終的にBPM的に気持ちよく聴けるように並べてみよう、みたいに作っていきました。

1曲目にもってきたのは出だしのベースラインがめっちゃカッコイイ「愛的開始」で、曲タイトル的にもこの曲から始めたいなって。

ホントは全曲中国語の、普通話(北京語)の曲にしようかと思ってたんですけど、さすがにDIGが難航してしまいまして…。テレサの音源は膨大ですが、手持ちの音源には限りってもんがありますからね…。

日本語の曲を2曲ほど、1985年のNHKホールでのLIVE音源を入れました。10曲目「乱されて」と11曲目「ミッドナイト・レクイエム」ね。これ、演奏のおかげで全然演歌っぽく聴こえないでしょ。むしろR&Bっぽい。あと、英語でカバーしてる5曲目も同じ盤のもの。

同じく日本盤としては、4曲目の「Killing Me Softly with His Song」と14曲目の「Jambalaya (On The Bayou)」。こっちはNHKホールLIVEと較べると、ちょっと演奏が弱いんですよねー。ルイードのLIVE盤に入ってる「Jambalaya (On The Bayou)」が最高なんですけど、音がちょっと悪いので使わなかったんです。かんべんな?

LIVE音源のほうがテレサのすごさがよくわかるんじゃないかな? 「愛の世界」は名盤だと思うんだけど、演奏も、テレサの歌い方も、ちょっと抑えが利きすぎてるというか、おとなしい。リハーサル感がある、というか。音はちょっと悪いけど演奏や歌い方で最高なのはルイードLIVEの音源だと思うなー(録音マイク位置のモンダイというか演奏が聴こえにくい)。テレサの死後に、彼女の自室から「発見」されたカセットテープ音源なんだそうです…。

あと、LIVE音源のほうがDIGがはかどる。こんなアレンジやってる!みたいのがあるから。そんなひとつ、1984年の香港でのLIVE音源から、テレサの代表曲「甜蜜蜜」を9曲目にぶっこみました。こんなアレンジの「甜蜜蜜」初めて聴いた!これカッコイイ!(語彙力

粤語(広東語)曲からも1曲、13曲目の「漫步人生路」。中華圏ではみんな知ってるテレサの代表曲の一つですけど、元曲は中島みゆき「ひとり上手」。でも中華圏ではみんなテレサの曲としてカバーしてて、近年だとジョアンナ・ワンがカバーしてますね。

ギリギリ日本人が知ってそうなテレサの曲として12曲目「ジャスミン慕情」の中国語版「像故事般温柔」を入れてますけど、これもう演歌じゃねえだろCITYPOPだろって曲になってるでしょ。日本盤だとアルバム『時の流れに身をまかせ』(1986)収録。このあたりDIGっていこうな!テレサの音源は年々高騰してるけどな!

16曲目の「海風」は、日本盤だとアルバム『ジェルソミーナの歩いた道』(1981)収録の「西海岸から」って曲で、これアレンジが実にフュージョンっぽい。編曲は故・羽田健太郎氏。

実は今回のMIX、YOUTUBEに真っ先にあげたんですけど、いきなり著作権ブロックがかかり、日本でのみ公開制限がかかっちゃった。どうやらこの曲が原因っぽいです。申立人は「UMG(Universal Music Ltd. の代理)」。代理ねえ…。
「海風」としてあげてるのに、「著作権で保護されたコンテンツ: Nishikaigan Kara」だってさ。ちなみに「西海岸から」の作曲は川口真氏。

ラスト17曲目に「再見!我的愛人」こと「グッバイマイラブ」を入れたのは、オレがこの曲をめちゃめちゃ好きだからです。確かにこれあんまり「CITYPOP」ではないですよね。原曲はアン・ルイスのアイドル時代の曲ですし。まあでもこの曲か、「何日君再來」がラストのシメになりますよね、テレサのMIXだったら! いやベタですけど、やりたいやん。

ってながながと書きましたけど、まあアレですよ。きらびやかなシティライツの似合うおしゃれなバー的なところでカクテルグラスをかたむけつつ聴いたりしてほしいなー。よろしくお願いします!

あ、もし知り合いの方に中華圏の方がいらっしゃいましたら、このMIXをおすすめいただくと共に、ぜひbilibiliに転載いただきたく存じます。厚かましいお願いで申し訳ありませんが、当方bilibiliのアカウントがとれなかったので、何卒よろしくお願いいたします。