アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

 青空文庫で織田作之助を読む 『夫婦善哉』篇

 最近は、[es]で読書してる。青空文庫で、織田作之助読んでます。『夫婦善哉』の人。当初ベタベタな浪速のノリを想像してたんだけど、読んでみると偏見でしたよ。
 すごくモダーンで、軽妙で読みやすく、かつ映像的な文章だと思った。落語の語りに近い(ところもあるカモ)。なんていうか、もはや存在自体が第一級の貴重な民俗資料。80年くらい前の大阪で、浪花節やら三味線やらがどういった意味をもっていたか。それが、カフェやお座敷芸者やら、しかも経営内幕から店舗増築、資金繰りなどのディテール豊かに、綿密に描かれている。さらにさらに、そこに並べられる住所のいちいちが、ああ、あそこかと大阪に住む人間には、わかってしまうように描かれているのだ。こりゃ大阪人たちは、夢中になったことでしょうねえー。
 映画見たくなったよ。調べてみたら、森繁久彌淡島千景主演で、55年松竹映画だなー。ちょっとレンタル屋さがしてみるか。なんせ、元祖ツンデレだからな、この物語のヒロイン・蝶子は。