アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

『ある日どこかで』

 昨夜、ビデオで映画を観ました。『ある日どこかで』という作品です。すごく美しい映画でした(´Д⊂グスン 1912年にタイムスリップして恋した相手に逢いに行くっていう、こうやって書いちゃえばなんてことないあらすじなんですけどね、このテの時間モノの恋愛映画にはもうメチャメチャ弱いんすよ〜。日本のものだと『時をかける少女』や『さびしんぼう』、アニメ『マシュマロ通信』なら「マシュマロタウンの休日」(ってアレ時間モノの恋愛映画って言えるのか??)。
 で、思い出して再読したのが、とり・みき先生の「カットバック」という短篇。『山の音』というハードカバーの単行本に収録されておりますが絶版。文庫にはなってないのかな? とにかくこれ、上記に挙げた作品郡にひけをとらない出来なのでありまして、すっごくイイのです。
 映画マニアの男の子が主人公。サークルの課題フィルムのため、郷里へ帰省した彼は、とてもキレイな女の子に出逢う。その女の子というのが、昔同じ場所で見たオバケに似ていたり、昔見た映画に出ていた女の子に似ていたり。彼はその女の子にモデルになってもらってフィルムを撮りまくるんですけど、時々彼女が約束の日に来ないことがある。それは…てな展開なんすけどね、いや、これがイイんですよホントに。未読の方はぜひお読みください。
 とり・みきというヒトはギャグマンガ家なワケですが、この本にはギャクマンガは1本も入っておらず、ストーリーテーラーとしてのとり・みきがむき出しになっているワケです。かなり好きなんですが、このテのシリーズを一冊にまとめて文庫化してくれるとホントにうれしいんですけど、ムリっすかねえ? それとももうされてるのかな?(←不勉強)
 この映画については↓こちらも参照くださいませ。
 http://www.ueda.ne.jp/~peg/






山の音
山の音
posted with amazlet at 05.07.12
とり みき
早川書房 (1989/07)