『リトル・ロマンス [DVD]』
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2003/05/09
- メディア: DVD
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- 作者: パトリック・コーヴァン,村上香住子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/12/31
- メディア: 文庫
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12歳になる少年と少女のあいだに恋が生まれた──少年の名はダニエル。アメリカのB級映画、とくにロバード・レッドフォードに狂ってる、記憶力抜群のパリっ子。少女の名はローレン。フランスの戯曲や難解な哲学書を愛読しているおとな顔負けのかわいいヤンキー娘。すっかり意気投合した小さな大頭脳コンビ。ふたりは、おとなたちの干渉をしりめに、永遠の愛のあかしを求めてパリを秘かに脱出、ベニスへ旅立った……!(ハヤカワ文庫版のカバーより引用)
これを書く前にググってみて各映画サイトの感想などを流し読みしましたが、ダニエル役をやったテロニアス・ベロナール、なんでか評判悪いなあー。どうも役の上の彼が、ローレンス・オリヴィエ演じるおじいさんにやさしくないってんで評判落としてるみたいですが、そりゃ役の上でのことじゃん? そんな小学生みたいなケチな感想、この映画の主人公たちは鼻で笑うでしょうよ、ヘン! あのヤキモチやいてすねちゃうとこがイイんじゃないですかー子供っぽくって。ハイデッガーの話で意気投合しちゃうくせにさ! ぼくは好きですけどねー。アメリカ映画狂い、それもロバード・レッドフォード狂いってんで、まるで大林宣彦監督の若い頃みたいなカンジですよー(←こんな説明でわかるヒトいるだろうか…)
相手役であるローレン役にはダイアン・レインですよ、デビュー作なんですね。メチャメチャかわいいです。制服マニア的にはパリのアメリカンスクールの制服がキュートでたまりませんよ、ぜひチェックしてください。丸襟ブラウスの上に重ね着しているスウェットシャツ萌え。ファッション的にはダニエルもアメカジなんで、チェック項目は満載です、Leeのデニム上下とか皮のフリンジ付ジャケットとか。好事家の方はぜひぜひ♪
でまあ、パリからベニスへ向けて旅立つんですが、原作とはかなり違いまして、ダニエルのクイズ番組での賞金獲得&ローレンのコンピュータ株予測でのボロ儲けが、コンピュータで競馬予測となっております。ま、原作と比べるのは野暮ってもんでしょうから、それぞれで楽しんでください。ぼくはどちらも大好きですよ。でも、あえて言うと、原作のダニエルのほうが若干男らしいかな?
ちょっと小説のイイフレーズから引用してみましょうか。「何かが起きたんだ──ぼくは恋に落ちた。/『風と共に去りぬ』の、クラーク・ゲーブルみたいな恋をしたんだ。/ビンゴ」。この「ビンゴ」っていうのは彼の口癖で、映画でも頻繁に使われている。もともとはバート・レイノルズが映画で言ってた口癖から頂いたもので、アメリカ野郎を気取るために欠かせないものなのね。ビンゴ。
あとね、「小さな恋のメロディ」と比べて、パクリだの、比べようも無いだのと悪評を書いてるヒトもいるようですが、バカじゃないの? 神格化・伝説化した映画を振りかざして水戸黄門きどりディスか?? そもそも大衆芸術は模倣よりスタートする。やがて、模倣を超えるスタイルが生み出される、ほとんどが偶然に。で、それを意図的にやろうとして大作が作られて…これの繰り返しでしょ? こーゆーの分かった上でオリジナルだのパクリだの語ってるんでしょうね? まあ、どーでもイイっちゃどーでもイイんですけどねー。バカには何言ってもムダだしね。ビンゴ。
この映画のラストシーン、やっぱり大林カントクの超名作『転校生 [DVD]』に影響ってアリなんですかね?? そういえばこの映画では夕暮れのベニスでゴンドラでキスなんですけど、『転校生 [DVD]』では夕暮れの尾道水道をフェリーで渡るんだよね、キスはしないけどさー。で、例の超有名な「さよならオレ!」「さよならあたし!」──ああ、泣けてきた(´Д⊂グスン あのシーンにちょっと似てるのよ、この映画のラスト。ビンゴ。