アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

V.A 『Sand & Steel: the Classic Sound of Jamaican Steel Drums』

Sand & Steel: the Classic Sound of Jamaican Steel Drums
Various Artists
Trojan US (2005/10/18)

■Disc1;
□The Steel Band of The University of the West Indies ('57)

01-Mambo Negro
02-Tropical Merengue
03-Zambei
04-Tropicana
05-Negrito del Batey
06-Iron Bar
□The West India Regiment Steel Band ('61)
07-Yellow Bird
08-May May
09-Magnificent Seven
10-Lazy Man
11-Perfidia
12-Cantata Rhimba
□The Hell's Gate Steel Band ('65)
13-Archie
14-Do-Re-Mi
15-Mitti Magita
16-Country Gal
17-Blowing in the Wind
18-My Pussin'
□The WIRL All Star Steel Band ('66)
19-Bam Bam
20-Big Bamboo
21-Island in the Sun
22-Wings of a Dove
23-Jamaica Farewell
24-Shame and Scandal
■Disc2;
□The Rising Sun Steel Band ('68)

01-Enjoy Yourself
02-Ferry
03-Do-Re-Mi
04-I Must Be Dreaming
05-Nobody's Business
06-More
07-Battle Hymn of the Republic
08-Somewhere My Love
09-Lonely Goat Herd
10-Sugar
11-Dixieland
12-You Sweeten Me
□The B.W.I.A Sunset Steel Band ('71)
13-Rope
14-Theme from Love Story (Where Do I Begin)
15-Mawga Dog
16-To Sir with Love
17-Pan Man
18-Bridge Over Troubled Water
19-No See You Ma
20-Queen of the Bands
21-Let It Be
22-Little Love

 ずーっと欲しかったけど、なかなか聴く機会のなかった↑このCD。友人が入手したとのことでやっと聴かせてもらいますた☆
 ジャマイカのスティールバンドたちの、50年代中期〜70年手前くらいまでの音源を集めたもので、たしか去年の夏くらいに出たんすよ。横浜パンフェス前くらい。『TRINITONE -Home of SOCA, PAN, CALYPSO-』とどっち買おうか迷った記憶ある。つか、安いんだから買えよってカンジですけどね〜。↑のamazon価格ではけっこうお高いカンジしますけど、タワレコで見たときには1700円くらいでしたからね〜。迷う値段じゃないだろってwwwww
 ジャマイカ独立はトリニと同じ62年、これまたトリニと同じで元は英領でした。つまりDisc1の前半が独立前の音源っす。当時のジャマイカを大雑把にまとめると、合衆国の影響でジャズが大流行。これをレコードで聴かせる&躍らせるためのサウンドシステム/ダンスホールも大流行。でも音源の供給が追いつかないってことでサウンドシステム経営者たちは自分たちでレコード製作を始めます。ジャズのみならず、ジャンプ、シャッフル、ブギウギ、マンボ、ビギン、ルンバなどなど多様な音楽がミックスされ、やがて「スカ」が誕生。裏打ちアップテンポなこの大衆音楽ジャンルはジャマイカのみならずカリブ全域やイギリスでも大ヒット。…とまあこんなカンジ。*1
 で、そのあたりのカンジは音にも現れていますよね? ホラ1曲目からスカっぽいじゃないですか? スカパラあたりがカバーしててもおかしくないっしょ? The Steel Band of The University of the West Indies、これ、大学バンドなんだよねー。音はさすがに50年代なので、録音機材の限界&当時のパンの音の限界で、いくぶんガムランっぽい伸びのない音になっちゃってます、だがそれがいいwwwww
 続くThe West India Regiment Steel Band、名前が似てるからたぶん同じバンドなんじゃないかとも思うんだけど真相や如何に? こちらはそんなにジャズっぽくなく、バックにエンジンルームが入っててカリプソ定番曲も多いし、よりスティールバンドってカンジしますね。
 Disc1後半は独立後音源。ジャマイカ的には「スカ」が終わりかけて、そろそろ「ロック・ステディー」がくるかって頃。The Hell's Gate Steel Band、名前はイカツイけどカバーはセンスいいっす。映画『サウンド・オブ・ミュージック』の主題歌「ドレミの歌」やボブ・ディランの「風に吹かれて」、なんといってもキッチナーの「My Pussin'」! しかしまだまだジャカスカとシャッフル感が強いっすね。
 The WIRL All Star Steel Band、今までのシャッフルするカンジの演奏と比べると、グッと落ち着いていてメロウに聴かせる的な展開、このあたりが「ロック・ステディー期」的かな?? 22曲目Wings of a Dove、この曲ESSOも演ってたよね? 『エッソ・トリニダード・スティール・バンド!』の10曲目、曲タイトルがビミョウに違うけど。ところでバンド名ですが、"WIRL"ってのはおそらく"West India〜"だか"West Indies〜"だかの略でしょきっと。となるとThe West India Regiment Steel Bandと同じバンドの可能性もあるなあー。なんで"All Stars"って複数形にしてないのかは不明なんすけどねwwwww
 閑話休題。気になったので調べてみたらThe University of the West Indies、現在はカリブ中にキャンパスがあるでっかい大学なんすね。1948年にジャマイカにキャンパスができて、60年にトリニに、63年にバルバドスに。この3つのキャンパスがメインなんだそうな。
 ではDisc2行ってみよー。こっちは二つのバンドの音源から成り立ってます。まずThe Rising Sun Steel Bandの68年音源から構成される前半。この頃になるとジャマイカじゃ「レゲエ」が登場してきてるんですが、ちっともそんなカンジじゃないね〜この音源は。ここでまたもや「ドレミの歌」。それから、この時期のイージーリスニングものに必須のネタ「モア」なんかもあります。たぶん他にも有名曲あるんでしょうが、ぼくにはちょっとわかんなかった。カンジとしてはThe Hell's Gate Steel Bandに近いような気がしますが、どうなんでしょ? 名前は正反対ですがwwwww
 続いてのThe B.W.I.A Sunset Steel Band、これは航空会社B.W.I.Aがスポンサーなのかな?? きっとそうなんでしょうね。「ある愛の詩」がメロウっちゅうか、レゲエっぽくてイイっすな〜と思ってたら、その次の曲は直球レゲエ曲だwwwww これこれこれこれ、こうでないと! スカ・アレンジの「明日にかける橋」も、メロウに聴かせるアレンジの「レット・イット・ビー」も、イイっすね、すね☆ ラスト曲も直球レゲエ曲♪ わりとそっち系大好きなのでこれはたまりません☆ つか、このラスト曲ってレゲエのバックトラックをまるまる使ってるよね??
 以上、駆け足でジャマイカ大衆音楽史とリンクさせてみますた☆ ちょっとはこのコンピの構成が立体的になったかな?*2

*1:この時期ってのはもちろんカリプソや、ジャマイカカリプソと言われたメントなんかも流行ってるワケですが、本文では割愛しますた。

*2:同じ頃のトリニのスティールバンドのコンピも欲しいなあーって思うんですがどうよ? つかブラッドレー・アレンジ集めたコンピとか追悼特集で発売されるのかな??