アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

竹中労『琉球共和国―汝、花を武器とせよ!』

 今更ながら、買い逃していた本をアマゾンで購入。今、夢中で読みふけっている。
 労さんを知ったのはもちろん『「たま」の本』あたりが名前を知った初めてで、それもなんとなく当時妹が買ってた本の表紙を眺めただけだった。なんだかムツカシイそうな本だなあーと思って。その頃はスチャダラやフリッパーズギターなんかを聴いてたぼくは、たまなんてほとんど聴いちゃいなかった。
 その後に『鞍馬天狗のおじさんは』がちくま文庫から出て、買ってみたのだった。橋本治先生が解説を書いていたからだけど、これでもうもっていかれてしまった。一読なんてもんじゃなく、くりかえしくりかえし、何度も読んだ。気がつくともうアナキストだった(笑) 妹から本をフンだくってこちらも貪るように読んだ。たまも聴いた(笑)
 なので、文章を書く上では強い影響を受けている…ハズ。いまや全く残っていない気もするけど。それでもやっぱり文章を書くことの基本を、この人の本から学んだと思う。ゆえに一時期「評論」めいた文章しか書けず、ずーっと悩んだりしたのだった。
 ま、そんなことは置いといて(つ´∀`)つ
 この本は、沖縄「復帰」前の72年に出版されたものの文庫化で、60年代末〜72年までの沖縄/琉球ルポルタージュが収められている。もちろん労さんの本だから、単なるルポではない、ゴリゴリの反米・反民主主義・民族派アナキストの労さんだ、骨太な窮民革命論に貫かれた下層に住む人々への連帯が、ページごとに響いてくる。
 とにかく、今ここにあるものをちゃんと描くための生活のディテール、そのために掘り起こされる歴史。島うたの魅力を語りまくり、50枚ほどのレコード製作、琉球フェスティバルの開催。在韓被爆者のドキュメンタリー映画を作り沖縄で上映、ヤクザが乗り込むとウワサされチケットが売れずにいると、敢然とヤクザ事務所へ乗り込む! 労さんってそういう人、憧れです。


琉球共和国―汝、花を武器とせよ!
竹中 労
筑摩書房 (2002/06)
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