アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

森永チヨ『おねがい神さま (マーガレットコミックス)』

おねがい神さま (マーガレットコミックス)

おねがい神さま (マーガレットコミックス)

 なんだかウチに帰りたくないような気分の時ってないっすか? ぼくはそんな時、とにかくひとりで歩きまくります。今日はフラっとなんばを流しました。とらやでアロハ用のつけかえボタンを買って、ジュンク堂で新刊をチラチラ見て、なんばピアで雑貨屋さんたちをながめ、そいでもってブックオフをはしご。以上ノンストップ、休憩ナッシングですだよ。えっと、3時間くらい? のら犬気分満喫っすよ〜。
 でまあ、その収穫として買えたのが、この単行本なワケです。この作家さんは、いくえみ綾大先生のアシスタントもなさってる方で、前々からチェックしなきゃと思ってたんです。いやー、歩いてみるもんですねー。この単行本は5本の短篇が収められていて、いわゆる別マ系の新人さんの単行本ってのはみんなこういったものになっているんですね。ちょっとググってみたけど、これはチヨ先生の今のところ唯一の単行本みたいですね。

 一読した感想としては、おもしろいっ! もっといくえみフォロワーちっくなカンジを想像してたんですけど、ちゃんとオリジナリティがあって、そこが自分的にツボをついてくれちゃってたまらんす。もっとも、別マ読みでない一般ピープルな方々からすれば、単にいわゆる別マ系のマンガってだけでしょうけども…。特に好きなのは「青春チクチク」「サクラチル サクラサクかな。せっかくだからあらすじ紹介しましょうね♪

「青春チクチク」

 ビデオ屋さんでバイトする女子高生の話なんだけど、彼女はバイト先の大学生の男の子が好きなのね。このバイト先の面接の時に、店長さんからはダメ出し出そうだったんだけど、その大学生の男の子の強力プッシュで入れてもらったのね。でも、そんな彼ももうすぐバイトを辞めちゃうことに…。告白しなきゃ…でも言えない…ウワァァァンヽ(`Д´)ノ
 …とまあ、こうやって書き出すとホンッッットに他愛ない話になっちゃうんですけどね、そういう他愛のない話をどうやって描くかってのが腕の見せ所なワケで、いやー堪能させてもらってます!<チヨ先生
 うまいっすよ〜、二人の時の会話のやりとりとかさー、途中で出てくるストーカー男もリアルだし(や、ちょっとステレオタイプすぎかもだけど)、あとは子どもの使いバツグン☆

「サクラチル サクラサク

 高校の合格発表。落ちたことがわかっちゃった主人公の女の子、とりあえず親に報告電話。彼女は冬季講習でいっしょだった男の子に恋してて、その発表の日が彼の誕生日だったからプレゼント買ってきてたのね。それを渡そうとした矢先に、急に知らない男の子から手を握られて告白され!? てな内容。
 受験勉強とともに彼女の恋は育っていってたのよね。そしてたぶん、恋が育てば育つほど勉強は手につかなかったのよね。だから彼女は落ちちゃうんだけど、憧れの彼は勉強もできるし受かっちゃうのよねー。で、告白してきた男の子は、これまた落ちちゃったんだけど、彼女が親に前向き報告してるのを聞いてグッときて告白するんすよー。そんで告白聴いてるうちに憧れの彼氏はどんどん帰っていっちゃうのでした…。
 彼女は憧れの彼のおうちも知らないけれど、プレゼントを渡しに行くことを決意します。それを聞いたその告白男子、オレも協力するわ〜って軽〜いノリ♪ 「好きになった女の子がそれでシアワセになるんならいーんだ」つって、いっしょに憧れの彼=スズキくんの家を探しに行くことになります。このヘンな告白男子のノリがすっごくイイカンジなんすよ〜。主人公の女の子もなんだかすっごいツボ、ツインテール萌え♥ 前半と同じシチュエーションを後半にも出すという構成がウマイ。


 ついでに書いておくと、ラスト、必ずカップルが抱き合って終わるんだよね〜(笑) きっとこの部分に作者の願望もといテーマが凝縮されてると思われ。ギュッと抱きしめてほしい♥系の女の子にはツボでしょ。むろん、それ系の男子にもオッケーっすよ☆