アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

『ドラえもん』のキャラクター配置について

 昨日の今日ってワケで、本日は金曜、夜7時から『ドラえもん』ですよ。ひさしぶりにリアルタイムで見たいなと思い、なんとか間に合うように仕事がんばりましたが、むむむ、結局残業になってしまい、半分も見れなかったです_| ̄|○
 声優陣が変わってから未見だったのでちゃんと見たかったですが、ま、しょうがないっすね(´Д⊂グスン でも、思ったよりは声に違和感なかったですよ。むしろフレッシュなカンジがしてイイんじゃないですかね? のび太ドラえもんがホントに仲よさそうなのが何よりツボ*1のび太って、こんなにピョンピョン飛び跳ねるコだったかな? かわいいじゃん、などとのび太萌えしていたのですが(キモいって言うなw)、何より音楽! BGMがより軽快というか、なんか外国のカートゥーンものっぽいカンジだったのでホントにぜんぜん違うアニメみたいだったな。おもしろかった。


 で、今日は『ドラえもん』におけるキャラ配置について書きますね。まずね、のび太というコンプレックスのかたまりみたいな、ナニやってもダメな男の子、でもあやとりと射撃は天才的!というヘンな男の子、という設定ね。彼のあまり言われざる特徴としてもうひとつ、中流核家族のひとりっ子ってのが挙げられると思うんですよ。
 つまりですね、あやとりも射撃も、実は集中力がないと上達しないものであり、その集中力のためにひとり遊びを必要とする。そういうキャラなんだよねー。人気でるワケですよ。だって、それって自分じゃんって思うもん。昔、別冊宝島に「おたくの本」っていうのがあった。宮崎事件のちょっと後で出た本だから、90年くらいかな? その中に「のび太たちのユートピア」っていうすごいコピーがあったんですよー。すごいよね、本質ついてる。つまり、のび太=おたくのプロトタイプ、なんだよねー。
 でまあ、『ドラえもん』世界ってのはこののび太が標準で、あとはそのコンプレックスと欲求によって成立している世界になっているんですよ。お金持ちに対してのコンプレックスを刺激するためにお金持ちの子どもであるスネ夫が設定されているんですよ。腕力のなさに対してのコンプレックスを刺激するために腕力のあるジャイアンが設定されている。その意味で、キャラとしては新参者なのにちゃんと『ドラ』世界で確固たる地位を築いているのが出来杉クンであります、のび太の正反対の男の子。
 ひるがえって女の子ですが、いわば理想的ガールフレンドとしてのしずかちゃんなワケなんですけども。…あのね、前から思っていたんですよ、なんでしずかちゃんに同性の友達を作ってあげないの?? 藤子・F・不二雄センセの弱点はココでしょうね、女の子がまともに描けてないんじゃないかと。
 たしか『エスパー魔美』でも主人公・魔美に同性の友達を設定していないでしょう? だって、相談役に高畑クンだしなー。作者的にはこの高畑クン&絵描きの父親に自身を投影しているのでしょうが、こんなに同性がまわりにいないヒロインって、ちょっとおかしくない?
 こないだケナしたNHKの実写版『キテレツ』にしても、ミヨちゃんが男子はべらせ系の同性から絶対嫌われるタイプに見えちゃうのは、製作側のセンス&企画力のなさもさることながら、この藤子・F・不二雄センセのキャラ配置による偏りゆえではないかな〜、という気もするんですよね。
 でですね、ぼくが『ドラえもん』を読んでて一番好きだったのって、モデルガン自慢する回があるじゃないですか? たしか空気ピストルが出てくる回。アレ、超好きだった。全編ウェスタン映画を意識してカット割りしてたりして、おたくちっくで大好き。あとはプラモやラジコンの話とかね。そう、その後にコロコロで流行りそうなネタって、だいたい『ドラ』でやっちゃってたりするんだよね〜。いわゆる男の子趣味全開っていうか、ホビー文化っちゅうか、おたく趣味っちゅうか。むかしのSFにあったクールに突き放したようなシニシズムっちゅうの? 藤子・F・不二雄センセって、やっぱそういうヒトなんだよねー。なにが言いたいかっていうと、おたくは女子視点を忘れがちってことです(笑)


 …あれ、キャラ配置論のつもりが、藤子・F・不二雄論になってしまったなー。のび太スネ夫ジャイアンの基本形が、日本の児童向けジャンルに及ぼしている影響の絶大さについて書くつもりだったんだけど、長くなっちゃったからイロイロ割愛♪
 上記のようなことを踏まえた上で作られ成功した作品として、『おジャ魔女どれみ』があると思うんですよ。どれみ・はづき・アイコっていうのは、そのままのび太スネ夫ジャイアンの基本形に対応しているんでは??というのが、前から思っていたことなんですけどね。ただまあ、どれみには妹のぽっぷちゃんがいるけどねー。それでもどれみはのび太に対応したキャラだと思う。いや、キャラがどうこうじゃなく、階級差の話。中途半端になっちゃうけど、今回はこれでオシマイ☆

*1:正直な感想なんですが、ある意味ダブルミーニングになりましたな(笑)