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ワンワン!ワンワンワン!

いくえみマラソン その5

google:いくえみ綾
⇒まずはググってみよう♪ これ基本。


△▼△いくえみ綾 その11△▼△
2ちゃんねる・少女マンガ板の最新いくえみスレッド。割とマターリ進行


いくえみ綾 作品データベース
⇒単なるデータベースではなく、上記スレのまとめもしてくれるありがたいサイト。管理人様リスペクト!GJ!



 昨日の続き。はじめてのテーマに挑戦して、結果として失敗作となってしまった「みつめていたい」ですが、続く「愛があればいーのだ」でも同様の結果となってしまってます。これもアンケの結果が悪かったんでしょう、中途半端に終わっちゃってる。テレビのADで、高校時代の地味っ娘との初恋が忘れないぽよよんとした男の子が主人公。その地味っ娘が今やテレビドラマの主演女優で、撮影現場で再会して…って話ね。
 主役を男の子にすることでなんとか描ききろうとがんばるもちょっとやっぱ取り上げてるテーマが重いために沈んじゃいました…という印象。で、そのテーマですけど、これ「トラウマ」だと思うんだよね、テーマ。「みつめていたい」のテーマをさらに広げた結果、こういうテーマが浮かび上がってきたのだろうねえ。
 他にも隣のルミさんのエピソードで、ボーリキ男を取り上げていて、このヘンは「バラ色の明日」の「第3話 fight!」や「君の歌がある」にひきつがれてるっすね。このテイストがキライor苦手な文系女子のみなさまは多そうですね。↑の2ちゃんのいくえみスレにもちらほら。まあ、キライはキライなりに、苦手は苦手なりに、つきつめて考えすぎたり、あるいは逆に、感情や生理にまかせて受け付けないから考えない!ってな思考停止になったり、そゆことのないように、適度に考えてみてもらいたいもんですな。
 で、そうした連載の失敗とはウラハラに、読切の異常な完成度の高さですよ、この時期は。特に「10年も20年も」はスゴイ! 人物配置、構成、コマ割り、全部完璧すぎ。1度読んだだけでは情報が処理しきれず、2度目3度目でやっとそのスゴサに気付けるはず。バックの効果自体は以前からうまかったけど、ここまで計算してやってるのははじめてだと思う。この1作だけで言うとくらもちも敵わないと思う、マジで。とにかく視線を丹念にひろって読んでほしい、てなヒントしか言えん。これだけはネタばらししたくない。単行本『ベイビーブルー (マーガレットコミックス)』収録、あるいは『いくえみ綾 THE BEST ―PREMIUM!長編セレクション (クイーンズコミックス)』にも入ってる。マストバイでよろ。


 もうひとつ。「My dear B・F」。こっちも『いくえみ綾 THE BEST ―PREMIUM!長編セレクション (クイーンズコミックス)』に入ってます。単行本だと、↑で取り上げた「愛があればいーのだ」の2巻に収録。イラスト集の一口コメント曰く、ネーム段階で編集さんがかな〜り感動したようで、打ち合わせん時にカフェオレ一気飲みしてたらしいです。
 久しぶりに読んでみると。あれ、なんだか「マギー」に似てるぞ? 陸上部だった女の子が主人公。交通事故で走れなくなった彼女のもとに、犬と名乗る男の子がやってきて…って話なんだけど、いくえみマラソンの1回目で書いたことがまんまあてはまります。失意のイノセントガールの為にイノセントボーイが必要になる、という世界観なんだよね、いくえみ世界のコンポンは。自説の正しさを噛みしめてマス。
 また、この作品あたりからファンタジーやSF的要素が出だすよね。犬が人間になって慰めにやってくる。それも愛犬でもなんでもない、そもそも女の子はその犬なんて知らない、犬が勝手に毎日見とれていただけの女の子のとこへやってくる。神さまがお願いをきいてくれたから。……。……。よく考えたらスゴイ話ですよね〜(笑)
 個人的には、よくできた話だとは思うけど、ちょっとつくりすぎじゃないの?とも思う。個人サイトなんかではダントツに評判良いみたいですけどね〜。これなら「10年も20年も」のほうがはるかに出来が良いしスゴイと思うのね。まさに「10年も20年も」残り続ける名作でしょう。ついでに、「愛があればいーのだ」は、10年たっても20年たっても、忘れたつもりでも、「過去」はある。その「過去」に引き戻されてしまう、みたいなことがモチーフになっているワケですね。


 うーん。最近緩慢すぎるな、ココの文章。すみませんが、もうちょっとこのままいくえみマラソン進行で行きますのでよろしく。