アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

いくえみマラソン その4

 4様GETズサ━━━━⊂(゜Д゜⊂⌒`つ≡≡≡━━━━!! ちなみにぼくの小1の娘曰く「ヨン様キモい」だそうです。激しく同意したのは秘密ですだよ。ま、それはさておき。前からちょっとさびしいなと思っていたので、いくえみマラソン用のテンプレ作ってみました。次回からはこれを使い回します、しばらくこのネタ引っ張るつもりなんで。いくえみ興味ない方、すんません。

google:いくえみ綾
⇒まずはググってみよう♪ これ基本。


△▼△いくえみ綾 その11△▼△
2ちゃんねる・少女マンガ板の最新いくえみスレッド。割とマターリ進行


いくえみ綾 作品データベース
⇒単なるデータベースではなく、上記スレのまとめもしてくれるありがたいサイト。管理人様リスペクト!GJ!



 さて、今日から90年代のいくえみ綾をとりあげるワケですが、まずは前半戦ですな。ざっと作品を並べるから、流れをわかってくだちい。「彼の手も声も」が終わるのが別マ90年7月号。以下次のような流れとなっております──

  • 読切「10年も20年も」(90年9月号)
  • 前後篇「ベイビーブルー」(90年12月号〜91年1月号)
  • 連載「みつめていたい」(91年3月号〜8月号)
  • 読切「マイボーイバックホーム」(91年10月号)
  • 連載「愛があればいーのだ」(92年1〜7月号)
  • 読切「My dear B・F」(92年9月号)
  • 連載「I LOVE HER」(92年12月号〜94年7月号)
  • 続編「P.S. I LOVE HER」(94年9月号)



 この時期の一番ヒットと言えば「I LOVE HER」でしょう。人気にあやかって当時イラスト集も出版されたくらいです。『いくえみ綾自選イラスト集 (SGコミックススペシャル)』。ぼくはリアルタイムで買いましたとも。この中にですねえ、この時期の作品に対するいくえみ自身による一口コメントが載ってるんですよ。それによればですね、◎◎△▲△◎○?という結果なんですよ。え、どういうことかわからない?? ↓こうですよ。

  • ◎読切「10年も20年も」(90年9月号)
  • ◎前後篇「ベイビーブルー」(90年12月号〜91年1月号)
  • △連載「みつめていたい」(91年3月号〜8月号)
  • ○読切「マイボーイバックホーム」(91年10月号)
  • △連載「愛があればいーのだ」(92年1〜7月号)
  • ◎読切「My dear B・F」(92年9月号)
  • ○連載「I LOVE HER」(92年12月号〜94年7月号)
  • ?続編「P.S. I LOVE HER」(94年9月号)



 ◎は成功作、というか、作者満足作。○はまあまあ。△は失敗作「おもしくない」作品。
まあ、最後の「P.S. I LOVE HER」に関してはコメント載ってないので、これは「I LOVE HER」と同じ扱いってことで良いと思うっす。
 つまり、「みつめていたい」から「愛があればいーのだ」まで、不調だったんですよね、いくえみ先生。スランプっちゅうか。ぼく自身はどちらともけっこう好きなんですけど、それでも失敗作だと言われれば「そうだよな〜」くらいは思うです。「みつめていたい」は連載当時別マ本誌も追っかけたんだけど、巻頭カラーで連載始まったのに、続くにしたがってカラーページがなくなり、あれよあれよの間に掲載自体が別マの後ろの方になっちゃってね。かなり中途半端な内容の最終回になっちゃってるのはそのためなんだよね。これ、アンケート悪かったんだろうねー。
 内容なんだけど、こないだもう一回読み直してたら、1話の構成ってさあー、「POPS」にソックリじゃない? 金髪だったり年上の女の子と年下の男の子の話だから、リメイクした「10年も20年も」だとばっかり思ってたんだけど、それだけじゃないのね。追いかけっこの後、路上でいっしょにチーズまん食べるシーンあるっしょ。アレって「POPS」のおやきを食べるシーンと同じだよね。ラストもなんとなく似てる。恋愛の仕方うんぬんのモノローグ部分ね。たしか、同じようなモノローグが「POPS」にもあったよねー。ちょっとさがしてみるだ。(さがし中)あれ、あれ? ないなあー。と、思いきや。『彼の手も声も』にあった! 奈緒ちゃんと明世ちんが、食堂でコロッケ食べながら話してるシーン。近作揃い踏み。そんで挑んだ作品だったってことですな「みつめていたい」。


 「みんなにいい顔をする」とか言われて女子のみなさまから思いっきり嫌われてる高校生の真千子ちゃんが主人公。彼女がみんなの人気者・祥児とつきあうことになったから、さあタイヘン! みんなの祥ちゃんとつきあうなんてえ〜〜キ〜〜〜ッという女子のみなさまの嫉妬がイジメになって真千子に降り注がれるのだった((;゜Д゜)ガクガクブルブル そんな時に、妹・真理子を通じて知り合った中学生・高哉。自分でも気付かないうちに高哉を追いかけてしまう真千子だったが…。
 まあ、ざっと↑こんなあらすじなんすけどね。今までの作品とナニが大きく違うかっていうと主人公の真千子ちゃん、なんと2股かけちゃうことになるのよ。今までのいくえみ作品っていえば、「POPS」の薬子にしても「彼の手も声も」の奈緒ちゃんにしても一途でひたむき!みたいなイメージっしょ? それが、2股で、しかもどちらにも本気。しかもそれがハッキリ始めからわかってるワケじゃなくって、だんだんわかってくる。
 はじめは、祥児から好きだと告白されて、好きと言われたらうれしくて、つきあうことになった。それが高哉と出会って、はじめて自分から追いかけて、いつのまにか高哉が心の中に。高哉とつきあおうと言われてつきあうことになっちゃって、祥児に対して罪悪感でいっぱい。結局祥児とは別れることになって、女子のみなさまどころか一番仲の良かった友達さえも離れてしまって、もう学校ではひとりぼっち。雨の日があって、いろいろあって。気がつくとどっちの男の子も好きになっちゃってた。その感情を、自分でもどうしていいのかわからなくなってしまうのね。どっちも好きだからこそ、どっちも裏切っちゃうことになるっていうね。で、自分の中の「道徳」に負けるというか、自分の中の「正しさ」が自己否定や自己嫌悪に向かわせてしまうっていうね。
 だから作品がねえ、もう真っ暗なんですよー。特に後半なんか緊張感がずっと続くから読んでてシンドイ。でもね、それは上記のような新しいテーマに取り組んだからなんだよねー。でまあ、この作品から問題作「いちごの生活」や「君の歌がある」のラスト近くのシリアスシーンやらが切り開かれてゆくことになるのね。ほら、あの雨の中の絶望感のシーンっすよ。「バラ色の明日」の「第9話 who」でもあったっしょ。あのテイストっすよ。さらに言えば「あたしがいてもいなくても」もね、このテイストの延長戦上で成り立ってるでしょ。そういう意味で、やっぱ外せない重要作なんだよね〜。


 なんかスッキリしないけど、今日はここまで(苦笑)