アポストロフィーS

ワンワン!ワンワンワン!

DMX&ピアニカ前田『TOKYO DUV STORY』

TOKYO DUV STORY

TOKYO DUV STORY

 春の曲シリーズ。って勝手にシリーズ化しちゃおう。つか、ネタに困ってるだけなんですけどね?
 今日はダブでレゲエでピアニカなこの曲。95年のカネボウのCMソングなんで耳にしたヒトもいるかも? そんな昔のことは忘れましたかそうですか。これはマキシ・シングルで、全部で5曲入ってますけど、曲は全部おんなじで、別バージョンになってるだけ。1曲目のインストもかな〜りイイんですけど、ぼくの本命はYOUをボーカルとしてフィーチャーした2曲目「東京狼少女」です。ウソをつく女の子が好きな男の子の歌なんですけどね、すごーくイイんですよコレ。
 いつもこの曲を聴くと、高校生の頃に夢中で読んだ大原まり子のSF短篇を思い出す。一千億台のテレビジョンに覆い尽くされた未来の東京が舞台。うたうたいの狼少年と、娼婦の猫少女のカップルの話だ。当時SF界はサイバーパンクが話題で、大原まり子の小説は日本での先駆けとされていた。もちろんそういった部分も大好きだったけど、彼女が描くカップルはもっと好きだった。今も、大好きだ。

〈許さないわ〉
 少女は怒っている。
 “許せない”ではなく“許さない”という絶対的な口調が狼少年は好きだ。泥のようにのしかかってくる運命の力を、すべてはね返す呪文。*1

 ↑この箇所とか、もう本当にゾクゾクする。カッコイイ! そしてこういう部分が、なんだかこの歌詞と妙にシンクロして見えるんだけど、どうだろう。

 ジャケを描いてるのは岡崎京子なんだけど、大原まり子の『処女少女マンガ家の念力 (角川文庫)』の文庫版の挿絵も彼女だった。そんなところでこういう連想をしてしまうのかもしれないけどねー。

*1:メンタル・フィメール (ハヤカワ文庫JA)』収録「女性的精神構造保持者」より引用